現代人にも、漢詩は作れる?

Amazonで売り切れの入荷未定状態が続いているが、漢詩部門でベストセラー1位が続いているという、ちょいとばかり興味深い漢詩本が出版されたので、書き連ねてみよう。

石川忠久_漢詩の稽古

  書  名: 石川忠久 漢詩の稽古
  著  者: 石川忠久
  版  次: 初版第1刷
  出版者: 大修館書店
  出版地: 東京都
  出版年: 2015.07.10
  形  態: xii,242p,19cm
  I S B N: 978-4-469-23276-9
  価  格: ¥1800+税

  t1.イシカワタダヒサ カンシノケイコ
  a1.イシカワタダヒサ s1.漢詩 分類番号919.07







        ~目 次~

はじめに

七言絶句
  1 和語を用いない   [夏・海/尤韻]
  2 和習の表現に気をつける   [夏・蝉/元韻]
  3 場面に合った描写をする   [夏・山行/冬韻]
  4 生かし切れない趣向はあきらめる   [秋・箱根/尤韻]
  5 起句と結句を呼応させる   [紅葉/東韻]

  6 前半で舞台を整え、後半の情を引き出す   [冬・酒/陽韻]
  7 作中人物に不自然な行動をさせない   [初冬/冬韻]
  8 理屈に合わない発想は慎む   [残雪/東韻]

五言絶句
  9 起句・承句の流れを練る   [感傷・酒/真韻]

七言絶句
 10 適切な語に改め韻を換える   [刀/陽→蒸韻]
 11 内容に合わせて題を変える   [梅雨/麻韻]
 12 盛りだくさんの着想の詩を二首に作り直す   [初夏・雨/微韻]
 13 盛りだくさんの着想の詩を二首に作り直す   [初夏・雨/陽韻]
 14 主題に適した詩語を配する   [寺・坐像/真韻]

 15 情景を単純化し、心情を印象的に訴える   [雉/庚韻]
 16 有名な詩の言葉を用いてその趣を取り込む   [桃・鶯/陽韻]
 17 場面を整えた上で新発想を際立たせる   [七夕/尤韻]
 18 言葉の重複を避ける   [春景/先韻]
 19 主題を生かすための舞台を作る   [夏・亀/先韻]

 20 「サンタクロース」を適切に表現する   [クリスマス/東韻]
 21 その土地らしさを出す   [バリ島/陽韻]
 22 その土地の事物を詠み込む   [トルコ/麻韻]
 23 次韻によって唱和する詩を作る   [次韻/麻韻]
 24 フィクションとして、最適の場を設定する   [モンゴル/虞→魚・虞通韻]

 25 強調した描写・表現でパンチを効かせる   [詠史・懐古/真韻]
 26 過去と現在の対比を鮮明にする   [詠史・懐古/尤韻]
 27 前半・後半の流れに留意する   [詠史・懐古/真韻]


 28 適切な語に改め、韻を変える   [元旦/灰→東・冬通韻]

七言絶句
 29 主題にふさわしい語を選ぶ   [慶賀/歌韻]
 30 語の意味やつながりに留意する   [慶賀/真韻]
 31 人物の人となりを詠みこむ   [再会/陽韻]
 32 題詠を重ねたのち、時事の詩に挑戦する   [災害/灰韻]
 33 史実を効果的に踏まえる   [詠史・懐古/刪韻]

 34 同字を意識的に使う   [詠史・懐古/微韻]
 35 視覚・聴覚を動員して今昔の対比を出す   [詠史・懐古/陽韻]
 36 「誰も気づかない捉え方」が詠史のコツ   [詠史・懐古/青韻]
 37 故事を踏まえて情景に深みを出す   [閨恐/真韻]
 38 伏線を張って効果を出す   [夏・夢/陽韻]
 
 39 もっと適切な素材がないか検討する   [七夕/支韻]
 40 斬新な発想を生かす   [茸狩り/先韻]
 41 用いる言葉の意味、雰囲気に気をつける   [月見/歌韻]
 42 特徴的な情景を的確に表す   [シドニー・月/陽韻]
 43 雅な言葉で雰囲気を高める   [発覧・月/灰韻]

 44 同じような形容語を避ける   [夢・キリスト/支韻]
 45 それぞれの事物に合った形容をする   [クリスマス/灰韻]
 46 固有名詞をの字面の効果を考える   [山茶花/文韻]
 47 結句を生かす、一字の効果   [山茶花/寒韻]
 48 季節を表す語は重複を避けて適度に用いる   [山茶花/麻韻]

 49 理にかなった言葉の流れを   [雪・月/侵韻]
 50 言葉の重複に注意する   [年末・送別/寒韻]
 51 既にわかっていることはわざわざ言わない   [年末/真韻]
 52 副詞の使い方に気をつける   [年末/麻韻]
 53 儀礼的な詩を作る   [中国・会合/真韻]

 54 意見の詩もやんわりとした調子で   [送別/真韻]
 55 疑問形で余韻を出す   [山川/侵韻]
 56 固有名詞を生かす   [小諸城/歌韻]

七言律詩
 57 景物にふさわしい語句を用いる   [冬・亀/尤韻]
 58 特殊な語の例は参考にしない   [浦島伝説/支韻]
 59 絶句を律詩に仕立てなおす   [春雨/庚韻]

五言律詩
 60 律詩の対句は「虚」と「実」の組み合わせで妙味を出す   [秋・月/尤韻]
 61 副詞が多くならないように   [春・閑適/青韻]
 62 対句が平板にならないようにする   [春・酒/青韻]

七言律詩
 63 当たり前の描写に一工夫を   [花見の宴/真韻]

五言律詩
 64 「あえて問う」ことの効果   [春・訪友/元韻]

コラム
 門人の稽古場
   一 作詩のヒント
   二 古典を利用した作詩
   三 作詩の順序

付録
 図説 平仄式 七言絶句
          五言律詩
 用語解説・索引
 稽古索引
 作詩のための参考文献

おわりに


目次の項目があまりにも長いので、読みやすいように適宜行を空けて書いてみた。
本のオビに書かれているように、石川忠久氏が漢詩作法(さくほう=作る方法。さほうはマナーの意)を学ぶ門人の作品に対して添削を行う、という内容の本。氏の主催する櫻林詩會の門人19名が作った、五言絶句1首、七言絶句54首、詞(ツー)1首、五言律詩4首、七言律詩4首の計64首が収録されている。

「はじめに」によると、前著『石川忠久 漢詩の講義』の姉妹本的存在にあたるという。しかし、『漢詩の講義』が李白や杜甫といった昔の大詩人の詩についてを書いているのに対して、こちらは全く無名の、というよりも、今現在進行形で生きている人達の詩を題材に書かれている。

まず門人の作った漢詩を原案として載せ、それに対して石川氏が問題点や具体案を推敲(=指導)し、最後に完成詩を載せるという形式を採っているので、一首の詩をどのように推敲すればより良い詩になるのか?ということがわかるようになっている。

詠じている詩は、基本的に花鳥風月や四季などの風流な事物についてが多いが、中には唐宋代に無かった言葉を江戸時代の先人達が苦心惨憺して作り出したように、高層ビルやクリスマス、非漢字文化圏への旅行などの「漢語にない言葉や事物を、どのような漢字を使って詠じようか?」と頭をひねっている様が面白い。

また、門人の書いたと思われるコラムがあり、「漢詩をどのように作っているのか?」という作詩過程が興味深い。どうやら彼らは一句目から二句目、三句目と順に作っているわけではなく、四句目から三句目と作っていることが多いようだ(´-`).。oO( 全ての作品はみな最後から作っているのかネ?)

漢詩を作るに当たっては様々な決まり事があるが、その決まり事については、付録に「七言絶句」及び「五言律詩」の図解と「用語解説」が簡単に記載されているのみであり、初めて漢詩の作り方を知ったという人には、少々判り難い&とっつきにくい一面もあることは否めない。高校では絶句は4行詩であり、律詩は8行詩であると習っても、一句内の規則や句と句の決まり事までは習わないからね(-_-;)

これについては「作詩のための参考文献」を適宜読んでくれ、ということであろうか?もっとも、ページ数と価格のバランスについて考えれば、やむを得ない(この言葉、もともとは漢文なのヨ。「不得已」と書くのネ。)大人の事情もあるのだろうが、お手頃価格で手軽にコンパクトに済ませたい   でも中身がスッカラカンのスナック本はいやヨ   の現代人としては、「なんとか一冊で収められないの?」という気がしないでもないが、それは贅沢&ワガママが過ぎるというものだろう(苦笑)

この本を読むと、自分にも漢詩が作れそうだという錯覚に陥ってしまうが、恐らくそう簡単なものでもないだろうという気もする。気になる点としては、平仄の表記違いが若干あるようだが、これは編集上の誤植なのか、はたまた、作者から読者への間違い探しをしてみなさいよと言うメッセージなのだろうか?
というわけで、とりあえず一つ。潮(●)→潮(○)

それにしても日本人とはおもしろい人達だ。国民のほぼ全てが英語学習を義務づけられているにもかかわらず、英語で詩を書く人はほとんどいない。その一方で、漢文教育がますます廃れゆく現代でも、今だにこうして古代中国語という外国語で詩を作っている人々がいるのだから   .

重箱の隅をつつくような細かいことですが・・・

本を読んでいると、ごく稀に、最初の数ページを読んだだけで憂鬱になってくる場合がある。久しぶりにそんな本に出会ったので、   そして何故か友人に「Blogに書け」と言われたこともあって   備忘録代わりにメモをしておこう。

資料からみる中国法史
   
  書  名: 資料からみる中国法史
  版  次: 初版第1刷
  著  者: 石岡浩・川村康・七野敏光・中村正人
  出版者: 法律文化社
  出版地: 京都府
  出版年: 2012.07.15
  形  態: ⅷ,229p,19cm
  I S B N: 978-4-589-03442-7
  価  格: ¥2500+税


  t1.シリョウ カラ ミル チュウゴク ホウシ
  a1.イシオカ ヒロシ,カワムラ ヤスシ,シチノ トシミツ,
   ナカムラ マサト 
  s1.法制史,中国 分類番号322.22




~目次~
はしがき
第0講 本書は何を課題とするのか
  1中国法史を学ぶ意味
  2中国法史の時代区分
  3本書の構成と内容

第一部 法と刑罰
 第1講 律令法体系はどのように形成されてきたのか:周から隨へ
  1成文法の形成:春秋時代
  2法経六篇と九章律:戦国時代から秦漢へ
  3睡虎池秦墓竹簡:戦国時代末期の秦の法
  4張家山漢墓竹簡「二年律令」:前漢初期の律と令
  5基本法典の形成:三国魏の新律十八篇
  6「律令」基本法典の形成:西晋の泰始律令
  7副次法典の形成:北朝の律令
  8唐律の原型:隋の開皇律
   コラム①秦漢の出土法史料

 第2講 律令法体系はどのように変容していったのか:唐から清へ
  1律令法体系の完成:唐前半
  2再副次法典の時代:唐後半から五代へ
  3編勅から勅令格式へ:北宋から南宋へ
  4征服王朝の法:遼から元へ
  5律例法体系の形成:明から清へ
   コラム②基本法典と副次法典

 第3講 五刑の刑罰体系はどのように形成されてきたのか:周から隨へ
  1周の五刑
  2死刑・労役刑・財産刑:秦の刑罰体系
  3前漢の文帝の刑罰制度改革
  4秦の刑罰体系への回帰:魏・晋の刑罰体系
  5南朝の刑罰体系
  6五刑の形成に向けて:北朝の刑罰体系
  7唐律の五刑の原型:隋の刑罰体系
   コラム③条文の示し方

 第4講 五刑の刑罰体系はどのようにして変容していったのか:唐から清へ
  1唐律の五刑
  2五刑の崩壊
  3変容した五刑と追放刑体系の併存:北宋後半から南宋へ
  4征服王朝の刑罰
  5新たなる五刑:明から清へ
   前近代中国法制年表
   コラム④十悪

第2部 法と裁判
 第5講義 裁判はどのような構造をもったのか
  1裁判案件の区別
  2裁判機関の審級
   コラム⑤官員に対する特別措置

 第6講 裁判はどのように進められたのか
  1訴えの提起
  2取調べと刑の宣告
  3拷問
   コラム⑧八議

 第7講 拷問はなぜ必要とされたのか
  1自白の必要性
  2拷問の実態
  3官箴に見る拷問の戒め
   コラム⑦五服
   男系男性五服親図

 第8講 裁判官はどのように紛争をおさめたのか
  1訴えの提起を妨げるもの
  2建訴への対処
  3裁判官の任務は教化にある
  4教論的調停
   コラム⑧判語と刑案

 第9講 誤判にはどのように対処したのか
  1過ちを改めるに憚ることなかれ
  2納得ゆくまで調べなおす
  3誤判をとがめる体制の行方

 第10講 法と道徳の抵触はどのように解決されたのか
  1忠たらんとすれば孝ならず
  2復讐は孝の最もたるもの
  3復讐は違法行為
  4妥協の論理構成

第3部 刑事法
 第11講 犯罪と刑罰はどのように対応したのか
  1相対的法定刑と絶対的法定刑
  2絶対的法定刑の欠点の緩和
  3前近代中国法と「犯罪の法定」
  4前近代中国法に罪刑法定主義は存在したのか
   コラム⑨不応為条と坐贓条

 第12講 高齢者・年少者や障碍者はどのように扱われたのか
  1法規定上の扱い
  2現代日本との比較
  3実際の対応
  4親が高齢者や障碍者の場合
   コラム⑩五流

 第13講 自首した者はどのように扱われたのか
  1唐律における自首
  2自首してもゆるされない場合
  3前近代中国法が自首に期待していたもの

 第14講 正当防衛は認められたのか
  1正当防衛とはどのようなものか
  2前近代中国における正当防衛
  3現代日本の正当防衛との違い

 第15講 共同犯罪はどのように扱われたのか
  1共同処罰の一般原則
  2例外的な共犯処罰
  3一般人の感覚になじむ前近代中国法の共犯観念

 第16講 殺人はどのように類型化されたのか
  1六殺:典型的な六つの殺人類型
  2謀殺
  3故殺と闘殺
  4戯殺
  5誤殺
  6過失殺
  コラム⑪六贓

第4部 家族法
 第17講 婚姻はどのように行われたのか
  1前近代中国の婚姻
  2婚姻成立の段階
  3制度のひずみで
  コラム⑫宗族と姓

 第18講 離婚と再婚はどのように行われたのか
  1離婚
  2寡婦の再婚
   コラム⑬妻と妾

 第19講 家産はどのように受け継がれたのか
  1家産の管理処分
  2家産の分割と戸籍の分割
  3家産均分の原則
  4家産分割の現実
   コラム⑭女子分法の謎

やっと目次が書き終わった。
これだけ長いと目次を見ただけでどのようなことが書かれているのか一発でわかってとても便利なのだが、タイピングするのは大変だw

目次を見ての通り、王朝時代の中国の法律(律・令・格・式)について書かれた本だ。
「アルファベット表記があるわけでもないのに横書きにしたのは何故か?」とか、「法令の文章が現代文のみで原文がないのでは確認が取れないではないか」とか、「過ちを改めるに憚ることなかれは「改むる」ではないか」とか、「『書経』は「しょきょう」と慣用読みをせずに「しょけい」と読んでいるにもかかわらず、「貞観」は「ていかん(ていがん)」と読まずに「じょうがん」と慣用読みをしているのは何故か?」など疑問に思うことはたくさんあるが、逐一取り上げていてはきりがないので、こういった疑問はひとまず横に置いておこう。

さて、問題の憂鬱が始まった箇所とはどこぞや?
9ページの下から三行目の問題の箇所を抜粋してみよう。


春秋時代の晋(しん)では、文公(ぶんこう,在位・前636-前628)のときに、趙宣子(ちょうせんし,趙盾(ちょうじゅん))が国政改革を行い、刑書を作成しました。この改革について『春秋左氏伝』文公(ぶんこう)六年(前621)条は、「法制を定め、法が罪の軽重に応じるように修訂し、裁判を処理して……、晋の国内に配布して常法とした」と記しています。



問題その1
「盾」という字は、「矛盾(むじゅん)」という言葉があるように、「じゅん」と読んでしまいそうだが、実はもう一つ「とん」という読み方がある。矛と盾の時のような場合は「じゅん」と読むが、人名の場合は「とん」と読むのだ。よって、趙盾は「ちょうとん」と読まねばならない。
ゑ?「現代中国の作家に茅盾なる者がいるが、読み方は「ぼうじゅん」ではないか!」ですって?茅盾の本名は沈德鴻といい、茅盾はペンネームなのだ。これはまたちょっと特殊な例になるのだが、中文研究者の中には「ぼうとん」と読んでいる人もちゃんといるのだ。尚、現代中国語読みでは「maodun」である。

問題その2
晋の文公(在位・前636-前628)の時代の趙さんは「趙衰(ちょうし)」であり、趙盾(宣子は諡号)は晋の霊公(在位・前620年-前607)の時代の人である。
文公は亡命生活こそ長かったが、春秋五覇の一人に数えられる人物であり、在位は短いものの、無事に天寿を全うしている。一方で晋の霊公は、大臣であった趙盾と対立して殺されている。

主君霊公と大臣趙盾の対立が激化して、遂に趙盾の一族の趙穿という者が霊公を殺害するという事件が起こった時、晋の歴史官の董孤が「趙盾が霊公を弑殺した」と記録した。趙盾は当初、「自分が殺したわけではない」と反論したが、董孤の「主君を殺した者を処罰する役割の大臣であるあなた(趙盾)が処罰せずにいるのは、あなたが殺したようなものだ」という主張し、趙盾がこれを聞き入れたという。これが「権勢を恐れずに真実の歴史を書き記すこと」を意味する「董孤の筆」という故事の出典である。

晋の文公を正しいとすればよいのか?はたまた趙盾を正しいとすればよいのか?
『春秋左氏伝』の文公六年の条を見てみると、


六年、春、晉蒐于夷、舍二軍。使狐射姑將中軍、趙盾佐之。陽處父至自溫、改蒐于董、易中軍。陽子、成季之屬也、故黨於趙氏、且謂趙盾能、曰:「使能,國之利也。」是以上之。宣子於是乎始為國政、制事典、正法罪、辟獄刑、董逋逃、由質要、治舊洿、本秩禮、續常職、出滯淹。既成、以授太傅陽子與大師賈佗、使行諸晉國、以為常法。



とある。ここには「(趙)宣子」と書かれている。よって、趙衰説は却下となる。
『春秋』は元来魯の歴史書であるのだから、この場合の「文公」とは「晋の文公」ではなく、「魯の文公」を指すのであろう。よって、「魯の文公6年(前621)、晋では霊公の大臣である趙盾(ちょうとん)が」が正しいのではあるまいか?
執筆者はこの文公を「晋の文公」と勘違いをしたのだろうか?

Myrthaは法制史の専門家ではないので、専門的なことはトンとわからないが、コンパクトな入門書としてならば、異なる世界を覗けたという面白さはあった。随所に日本の法律との相違が書かれているのも興味深い。だが、こういった細かいところの記載が誤っていては、自分の知らない他の箇所にも間違いがあるのではないかと考えざるを得ず、したがって、重い気を引きずりつつ読まざるを得なかった。

竹愛でる人

少しばかり前の話になるが、驚かされた本がある。
それがこちらの本である。

此君   

  書  名: 此君 日原傳句集
  シリーズ :ふらんす堂精鋭俳句叢書. Serie de la lune
  版  次: 2008.09.27第1刷
  著  者: 日原 傳
  出版者: ふらんす堂
  出版地: 東京都
  出版年: 2008.09.27
  形  態: 171p,19cm
  I S B N: 978-4-7814-0078-5
  価  格: ¥2400+税


  t1.シクン t2.ヒハラ ツタエ クシュウ
  a1.ヒハラ ツタエ s1.俳句 分類番号911.368




~目次~








あとがき


日原傳氏といえば、「ひとりで静かに日本酒を嗜み、侘び・さびの世界を漢詩でもって表現する人」といったイメージが強かったのだが、今回この本を読んでその観察眼の鋭さに驚かされた。試みに「自選十五句」を挙げて見ようか。


まんさくは頬刺す風の中の花

てのひらの集まつてくる踊かな

鹿散つて僧の行列見てをりぬ

外套は神話の如く吊られけり

葉桜のころの奉納相撲かな

難しく幹にとまりて囀れり

長城の切れ端を目に秋耕す

蟋蟀の跳べば親しき黄河かな

空飛んで来たる顔せず浮寝鳥

いきほひの出て真直ぐに蛇泳ぐ

出入口なき虫籠を編む男

ある人は膝を抱へて涼みけり

伝言を巫女は菊師にささやきぬ

青柿のほとりの水の迅さかな

朧夜の冬虫夏草沈む酒



俳句のことはトンとわからぬ門外漢でもこれは断言できる。
これはすごい、と。
短歌や俳句は母国語である日本語で作れるが故に、どうしても「俗」に陥りやすいのであるが、この句集にはそういった句は見あたらず、また、題材も日本の風景のみならず、日々の我が子とのふれあいや、イスラム世界や中国の風景などの多岐にわたり、飽きることがない。

今回の句集は「重華」「江湖」につづいて3冊目になるらしい。以前刊行された2冊は読めずじまいであるが、第32回俳人協会新人賞を受賞されたというこの「此君」を読めたことは幸いである。

なお、「此君」とは竹をこよなく愛する王徽之(おうきし・書聖王羲之の子)が竹を指さして「何ぞ一日も此の君無かるべけんや」と言ったという故事による。興味のある方は六朝貴族の小話を集めた『世説新語』の任誕篇をご一読あれ♪

一つ詩を作らうか

この度、現代日本に於いて漢詩研究の第一人者といえる石川忠久氏の手によって、大正天皇の漢詩集が刊行された。喜ばしいかぎりである。


漢詩人大正天皇

  書  名: 漢詩人 大正天皇~その風雅の心~
  版  次: 初版第1刷
  著  者: 石川忠久
  出版者: 大修館書店
  出版地: 東京都
  出版年: 2009.12.20
  形  態: 222p,19cm
  I S B N: 978-4-469-23258-5
  価  格: ¥1600+税


  t1.カンシジン タイショウテンノウ t2.ソノ フウガ ノ ココロ
  a1.イシカワ タダヒサ s1.漢詩 分類番号919.6





~目次~

はじめに
  小倉山に遊ぶ

"詩人"天皇の誕生
  新春偶成
  目黒村を過ぐ

三島のてほどき
  田母沢園に遊ぶ
  桜花
  梅雨
  池亭に蓮花を観る
  江上に馬を試む
  亀井戸
  戴叔倫の春怨詩を読む
  涼州詞に擬す
  老将
  巌上の松
  晩秋山居
  晴軒読書

皇太子の青春
  遠州洋上の作
  夢に欧州に遊ぶ
  欽堂親王の別業を訪う
  布引の瀑を観る
  三島の駅
  三島嘱目
  海浜所見
  墨堤
  夏日 嵐山に遊ぶ

巡啓の中で
  千代の松原
  箱崎
  舞鶴軍港
  呉羽山に登る
  琵琶湖
  新冠牧場

律詩を作る
  大谷川にて魚を捕らうるを観る
  宇治に遊ぶ
  初秋偶成
  松島に遊ぶ
  葉山即事
  偶成

古詩の面白味
  皇后の宮 台臨し 男を生むを賀するに謝し奉る
  沼津離宮にて皇后陛下に謁す
  吾が妃 松露を南邸に采り、之を晩餐に供す、因りて此の作有り
  泰宮を鎌倉離宮に訪う
  富美宮泰宮両妹を鎌倉離宮に訪う
  三月二十日、大崩に遊び雨に遇いて帰る
  玉川にて漁を観る
  園中即事

時事を詠う
  陸軍中佐副島安正の事を聞く
  青森聯隊の惨事を聞く
  乃木希典の花を惜しむ詞を読みて感有り
  日本橋
  慰問袋
  南洋諸島
  海軍の南洋耶爾特島を占領するを聞く

折々のうた
  球戯場にて田内侍従長酒気を帯ぶ、戯れに此を賦す
  戯れに矢沢楽手に示す
  階前所見
  墨田川
  葉山南園にて韓国皇太子と同に梅を観る
  明治戊申 将に山口・徳島二県を巡視せんとし、四月四日東京を発す、韓国皇太子送りて新橋に至る、喜びて賦す
  吾が妃、草を郊外に摘む、因りて此の作有り
  春蔬を採る
  高松宮に示す
  秋夜読書
  竹陰読書
  秋夜即事
  新秋
  学習院の学生に示す
  葉山偶成

詠物と題画
  西瓜
  梨を詠ず
  海を詠ず
  木曾の図
  農家の図
  海上にて鼇を釣るの図
  宇治茶園の図
  宇治蛍橋を撲つの図
  見延山の図

終わりに
  大正天皇年譜
  御製詩 詩題索引


弊日記を御覧の読者諸氏は「大正天皇」というと、どのようなことを連想されるであろうか?病弱な天皇?議会での遠眼鏡事件?
意外なことに思われるかも知れないが、大正天皇はその短いご生涯に1369首の漢詩を遺され、その数は実に歴代天皇第一位にあたるという(ちなみに歴代天皇第2位は後光明天皇の98首、第3位は嵯峨天皇の97首であるそうな)。
大正天皇が漢詩を作るきっかけとなったのは、明治29年に漢学者・三島中洲(二松学舎大学の創設者)が東宮侍講となって以来、三島の手ほどきによるものだという。

石川氏によると、昭和23年12月25日に大正天皇御集刊行会によって公刊された『大正天皇御製詩集』は宮内庁書陵部に蔵されている『大正天皇御集』と比べて多少の字句の異同があり、今回、この『漢詩人大正天皇』を刊行するに当たり、公刊本と原作の字句の異同がある場合は全て紹介したとのこと。
この『大正天皇御製詩集』の時に添削された字句の異同が漢詩習作者にとっては、どのように漢詩を作っていくかという点で非常に勉強になった一冊でもあり、大正天皇の短命を残念に思った一冊でもあった。もちろん、漢詩を鑑賞するという意味でも十二分に楽しめる一冊である。

風雅の道

以前、ポエ爺さんの四句八句と言う漢詩集が新風社より発売されたものの、新風社の倒産後は
どうなったのかしらと心配していたが、このたび文芸社より改訂版が出版された。
喜ばしい限りである。


ポエ爺さんの四句八句

  書  名: ポエ爺さんの四句八句
  版  次: 初版第1刷
  著  者: 水出和明
  出版者: 文芸社
  出版地: 東京都
  出版年: 2009.05.15
  形  態: 134p,21cm
  ISBN : 978-4-286-06269-3
  価  格: ¥1200+税

  t1.ポエジイサン ノ シク ハック a1.ミズイデ カズアキ
  s1.漢詩 分類番号919.6






 ~目次~
   序
 春 一~二六
 夏 二七~五七
 秋 五八~八一
 冬 八二~九二
 暮 九三~一〇〇
   再刊にあたり


斯界の大家・石川忠久先生をして「奇人には奇人の生き方がある」と言わせしめた
水出樂山水氏の漢詩集である。

 作り溜めた絶句、律詩の中から百首を選び、 
 なかなか面白い作品が出来た。 
 詩境が一段と進んだようである。 

と、全日本漢詩連盟会長が序文を寄せている。

新風社より刊行されたものに比べて和訳がかなり改められ、語注も増えており、しかも、一首につき1ページの配分で書かれているので、大変読みやすい。
そして、原文は繁体字(旧漢字)、訓読は常用漢字、現代語訳は原文よりも少し小さめの文字サイズというように統一されているので、非常にスッキリとまとまっている。

韻主主義が七言・五言の絶句のみなのに対してこちらは律詩も書かれているので、律詩と絶句という2種類の近体詩を楽しむことができる。
律詩にせよ、絶句にせよ、七言詩が多いところを見ると、五言詩よりも七言詩の方を得意としているのだろうか?


なほ、余談ではあるが文芸社ビジュアルアートより出版された韻主主義はすでに絶版になってしまったが、
湯島聖堂内にある斯文会館で購入可能のようだ。


※風雅
中国における最古の漢詩集『詩経(しきょう)』は、各国のお国ぶりを歌った風(ふう)、宮廷内での宴席などで歌われた雅(が)、祭祀の際に用いられた頌(しょう)に分けられる。そこから、風雅といえば「詩」を指すようになった。

金主主義よりも・・・

今時珍しいことに、そして漢詩習作者にとってもうれしいことに、現代日本人の手による
漢詩集が出版された。

韻主主義

  書  名: 韻主主義
  版  次: 初版第1刷
  著  者: 水出和明
  出版者: 文芸社ビジュアルアート
  出版地: 東京
  出版年: 2008.02.01
  形  態: 216p,19cm
  ISBN : 978-4-86264-619-4
  価  格: ¥940

  t1.インシュ シュギ a1.ミズイデ カズアキ
  s1.漢詩 分類番号919.6





 ~目次~
 春 一~二八
 夏 二九~六〇
 秋 六一~九〇
 冬 九一~一〇〇


 資本主義より詩本主義。
 「ドジ踏まず、地団駄踏まず、韻を踏め」と、
 韻律の世界を愛する著者が四季を詠った漢詩100篇。 

と帯に書かれているように、漢詩を愛する水出樂山水氏の漢詩集。
国立国会図書館のOPACで検索したかぎりでは『四季百詠』・『ポエ爺さんの四句八句』に続いて、3冊目の漢詩集刊行になるらしい。
その詩風は中唐の詩人・白楽天の如し。

書き下し文のほかにも現代語訳やその詩についてのひとことコメントもあるので、漢詩漢文に馴染みのうすい現代日本人にもわかりやすいが、あえて難点を挙げるとするならば、漢詩初心者・入門者を意識するあまり「テニヲハ」が多用されすぎているきらいがあることだろうか?

もっとも、漢詩上級者からみれば「書き下し(訓読)が旧漢字旧仮名遣いになっていないのはけしからん!」というところになるのだろうが・・・^^;

しかしそれらの欠点を補えうる詩集であると思う。
これで1000円以下の価格とは少々安すぎるのではなかろうか?

にしても、「あとがき」の文字がすべて旧漢字で書かれているとは…
ごく一般的な人にとっては読みずらいですよ(-_-;)

なほ、『水出和明的诗--兼论日本当代汉诗创作倾向』などという論文もネット上にアップされているところを見ると現代日本漢詩人の中では有名な人らしい。。。

世界征服計画

宇宙空間に浮かぶ星々を見ていると「あの美しく輝く星はどのような星だろうか?」と
宇宙へのロマンとやらにとらわれてしまいますが、いつも星々を眺めていたい人向けに
プラネタリウムな携帯ストラップが発売されるようです。
心の干乾びたときにこれを覗けば、遥か彼方へ心を遊ばせることが出来るかもしれませんねw


サテ、面白そうな本を見つけたので読んでみた。
世界征服は可能か



  書  名: 「世界征服」は可能か?
  シリーズ名: ちくまプリマー新書(061)
  版  次: 初版第1刷
  著  者: 岡田 斗司夫
  出版者: 筑摩書房
  出版地: 東京
  出版年: 2007.6.10
  形  態: 190p,18cm
  ISBN : 978-4-480-68762-3
  価  格: ¥760






~目次~
はじめに なんで「世界征服」なのか
第1章 世界征服の目的
    1.『仮面ライダー』と『北斗の拳』の場合
    2.「世界征服」の四つの目的
     その1 「人類の絶滅」
     その2 「お金が欲しい」
     その3 「支配されそうだから逆に支配する」
     その4 「悪を広める」
     その他:目的が意味不明

第2章 あなたはどんな支配者か?
    1.人類はカタツムリを支配している?
    2.支配者の四つのタイプ
     Aタイプ:魔王 「正しい」価値観ですべてを支配したい
     Bタイプ:独裁者 責任感が強く、働き者
     Cタイプ:王様 自分が大好きで、贅沢が大好き
     Dタイプ:人目に触れず、悪の魅力に溺れたい

第3章 世界征服の手順
    1.第一段階 目的設定
    2.第二段階 人材確保
    3.第三段階 資金の調達と設備投資
    4.第四段階 作戦と武装
    5.第五段階 部下の管理と粛清
    6.最終段階 世界征服・その後
           夜景を見ながらお酒を…/銅像と教科書/
           「支配階級」の形成/ハーレムの役割/「後継者」という問題

第4章 世界征服は可能か?
    1.「自分だけ豊か」はありうるか
    2.「支配」とは何か?
    3.「世界征服」にはうまみがない?
    4.結論:これが「世界征服」だ

あとがき


この本は、著者がエヴァンゲリオンでおなじみの庵野秀明監督とともに製作していた
NHKアニメ「ふしぎの海のナディア」に登場するガーゴイルを首領とする悪の秘密結社の
世界征服への疑問から始まります。
そういうわけで議論は終わり、「ガーゴイル:人類征服をたくらむ悪の秘密結社」と書いた企画書も、NHKに無事に提出できました。
でも、妙に庵野監督の言葉がひっかかるんです。
「ガーゴイルは、なんで世界征服なんかしたいんだろう?」
「高度な科学力で自分らだけで楽しい暮らしをすればいいのに」
 本当にそうだ。なんで悪の帝国は「世界征服なんかしたいんだろう」?
「世界征服」みたいな悪いことを企むから「悪の帝国」なのかな?
究極の悪イコール世界征服、ということだろうか?

「善」は「悪」があるから存在するのであり、また、「悪」は「善」が存在するが故にあるわけですが
「善」や「悪」とは一体どのようなことをいうのでしょうか?

「善」も「悪」も永遠普遍のものなのでしょうか?
それともその時々、時代によって違うのでしょうか?

岡田斗司夫氏の導き出した結論は本書の中にあります。
一読されたし。

納豆礼賛

はてブがネットイナゴ対策に乗り出すようですが、
ニコニコブックマーク(仮)のほうがよほどヒドイように感じるのは私だけでしょうか?
程度の問題ではありませんが早速、ニコブ対策タグを入れましたよ。。。
効き目のほどは不明ですが(-_-;)


サテ、友人に「腐った豆、なぜ食べなアカン」と主張する御仁がいる。
その御仁にこの本をささげよう。

納豆の快楽 
 
  書  名: 納豆の快楽
  シリーズ名: 講談社文庫
  版  次: 第1版
  著  者: 小泉武夫
  出版者: 講談社
  出版地: 東京
  出版年: 2006.12.15
  形  態: 267p,15cm
  ISBN : 4-06-275586-6
  価  格: ¥533





~目次~
第一部 納豆は発酵食品の王様だ
    納豆はいつもポケットに
    糸引き納豆と塩辛納豆
    糸引き納豆の栄養価は凄い
    秋田は納豆王国
    納豆はなぜうまい?
    匂いには意味がある
    納豆菌ってなんだあ?
    納豆のヌラヌラ
    日本人はヌラヌラがお好き
    納豆大好き、大嫌いの差
    糸引き納豆はどこから来たか
    間違いだらけの納豆知識
    甘納豆も好きのうち
    納豆から日本が見える

第二部 小泉流納豆怪食法・レシピ22
   【納豆との相性基本編】
    1  納豆の薬味と御供
    2  元祖ネバネバーグ
    3  納豆のタレに凝る
    4  納豆醤油
    5  納豆汁の具選び
    6  納豆の呉汁

   【納豆料理隠しワザ編】
    7  干し納豆
    8  「天狗印」三品
    9  納豆茶漬け
    10 納豆ライスカレー
    11 納豆の和えもの

   【納豆の極意編】
    12 納豆の天ぷら
    13 漬け物納豆
    14 納豆の雑炊
    15 納豆巻き
    16 納豆蕎麦

   【納豆美味発見編】
    17 納豆スパゲッティ
    18 納豆サンドイッチ
    19 納豆のなめ味噌身欠ニシン風
    20 納豆鍋
    21 納豆デザートだあ
    22 納豆ドリンク株式会社

【解説】
小泉教授の正体   嵐山光三郎


味覚人飛行物体にして、発酵学の泰斗・小泉教授の書く納豆万歳エッセイ。
かつて、ここまで納豆について熱く語った本があっただろうか?
ここまで納豆を美味そうに(美味しそうに、ではないw)語った本があっただろうか?
そして、ここまでテンションの高い食べ物エッセイがあっただろうか?

この本を読めば「納豆とは斯くも美味な食品であったのか!」と思うことウケアイ。
そして納豆が食べたくなります。

ちなみに印象的なのは、小泉教授は「少々の腐敗生ものなどのヤバイ食べ物に出くわしたら
即座に納豆を食べる」のだということ。
その結果、食中毒菌よりも先に納豆菌が腸内増殖し、食中毒になることがないのだそうな。
そうかぁ。ヘンなものを食べても納豆を食べれば当たらないのかぁ。。。
これは海外に行く際、大いに役立ちまずわなぁ。
現地人に食べさせてその感想(表情など)を見たいという誘惑もありますがw

とにかく!

Myrthaに「腐った豆、なぜ食べなアカン」といった某大阪友人!
すぐにこの本を読みなさい!

そして、納豆を食べてみなさい!!

Myrtha、大いに釣らる。

 アジャイルメディア・ネットワークが行った「ブログ読者のメディア利用動向に関する調査」
によれば、ブログ読者は一般的なインターネットユーザーと比べてテレビなどの
マス媒体の利用時間が短い、という結果がでたそうな。
ネットを始める遥か以前からテレビを見る習慣がありませんが何か?


サテ、ご近所の書店にふらりと立ち入ったのがことの始まり。
そして直接の原因は、小さな書店故に大型書店では行かないコーナーに行ってしまったこと。
そのコーナーで私の目に漢字二文字が飛び込んできた。

その文字は 荀  
荀は「じゅんいく」と読む。

荀

  書  名:荀
        ~曹操の覇業を支えた天才軍師~
  シリーズ名: PHP文庫
  版  次: 第1版
  著  者: 風野真知雄
  出版者: PHP研究所
  出版地: 東京
  出版年: 2007.03.19
  形  態: 317p,15cm
  ISBN : 978-4-569-66795-9
  価  格: ¥590




~目次~
序   章  空の器
第 一 章  出会い
第 二 章  激 流
第 三 章  限 界
第 四 章  王佐の才
第 五 章  虎 狼
第 六 章  帝の重さ
第 七 章  呂布を討て
第 八 章  身中の虫
第 九 章  決 断
第 十 章  軍師の快感
第十一章  亀 裂
第十二章  赤き壁
第十三章  王の道
終   章  最後の策略


あまりにもあまりな三国志が巷に出回っているためか、
三国志嫌悪症にかかって久しいMyrthaだが、ここ数年のMyrtha的三国志登場人物の中の
ツボ人物が魏の曹操に仕えた謀臣・荀(字は文若)なのだ。
面白そうな雰囲気を出していようが出してなかろうが、釣りであろうと、これは買うしかないだろう。
よし。釣られようではないか。風野氏よ、ちゃんをどのように殺すのかね?

というわけで、読んだ。

感想。

突っ込んでもよいでありますか?

著者の風野氏は「清流派」と「名士」をどのように理解しているでありますか?
党錮の獄は?
後漢末の思想については?
後漢末ににあのような食事や婚礼前のことがあったのでしょうか?その根拠とは?
荀が孝廉に挙げられたのは27歳だが、初出仕はそれ以前のことで
潁川で出仕していませんでしたか?
守宮令のまま棄官したのではなく、地方官に任ぜられた後に棄官しているのでは?
軍師とは?謀臣とは?

途中からはツッコミを入れる気もうせました。ある意味、立派に期待したとおりの本です。
もう少ししっかりと資料を読み込んでください。
これでは某作家がF-15を空母から飛ばせたようなものですよ。。。

ところでこの本を読んでそこはかとなく、蒼天航路と陳舜臣と北方謙三と
腐女子の香りを感じたのは私だけだろうか?
(´-`).。oO( それよりもこの表紙絵をハイ・ショーシ君が見たら怒り狂いそうだ。。。 )


人の評価は「棺を蓋って事さだまる」というが、曹操にせよ荀にせよ
1700年の時空を経た後も、評価のさだまらぬ人だといえよう。
荀にいたっては、歴史が下るにつれて詩人達の間で風流の代名詞のような扱いを
受けている一面もありますしネ♪

わからないことを押し付けるには?

東京都知事選候補の外山恒一の政見放送が一部で注目されているらしいのですが
これを見るかぎりでは、票を入れたいとは思えないなぁ。。。


サテ、Blog界隈で話題になっている本があるので今更ながらではあるが挙げておく。
初読年が2004年とあるので、なぜ今更?と不思議に思うのだが
有司書資格者はさておき、一般人はもちろん大学生諸子においては
一読して損はしない一冊だと思う。

図書館に訊け


  書  名: 図書館に訊け!
  シリーズ名: ちくま新書
  版  次: 第1刷
  著  者: 井上真琴
  出版者: ?筑摩書房
  出版地: 東京
  出版年: 2004.08.10
  形  態: 253p,18cm
  ISBN : 4-480-06186-X
  価  格: ¥740
  NDC  : 015





~目次~
はじめに
   図書館は永久に未知の国/誰だって使いこなすのは難しい

第1章 図書館の正体と図書館への招待
 1.図書館がゴーマンな理由
   図書館はゴーマンか/図書館はギルドな世界か/教えられない「利用者のための文法」/
   図書館使いこなし心得の条/資料利用のモチベーション
 2.図書館の存在意味とはなんだろうか
   インターネットに飛びつく人たち  図書館以前の問題?/
   新刊書店に群れる人たち  図書館以前の問題?/
   古書店に駆け込む人たち  図書館以前の問題?/図書館の存在理由/
   「童貞」ひとつを調べるにも…
 3.図書館にはいろんな種類がある
   公共図書館/学校図書館/専門図書館/国立国会図書館/大学図書館/
   学術研究の基本スタンス/大学と図書館

第2章 資料の多様性と評価の視点を知ろう

 1.図書館は資料のセレクトショップ
   資料は評価され、選択/多様なセレクト基準
 2.多様な資料の世界を覗く  灰色文献を中心に
   非流通本の世界/貴重な展覧会カタログ/重要企業の社史/故人の追悼録/
   科学研究費補助金「研究成果報告書」/記録史料類
 3.学術雑誌の世界を知る
   学術雑誌の存在/学術雑誌の仕組み  査読制度/熾烈をきわめる国際学会誌/
   大学・研究機関が発行する研究紀要
 4.どのように選んでいるのか  手にした資料の外的価値
   見どころ?:図書の形態(頁数と大きさ)/見どころ?:目次構成/
   見どころ?:索引・文献目録の充実度/見どころ?:初出の掲載誌レベル/
   見どころ?:注の付け方/見どころ?:図表の典拠や充実度/
   見どころ?:出版年、改版・改訂の頻度/
   見どころ?:付録や新機軸(特に復刻版の場合)/見どころ?:著者の信頼度/
   見どころ?:出版社の実績・編集者の実力/その他(翻訳図書など)

第3章 どうやって資料にたどりつくのか(1)
 1.目録と書誌情報の世界
   目録の効用/目録は世界を読み解くフィルター/図書館の目録と書誌情報・所蔵情報/
   瑣末にこだわるのは学術研究のため/カタロガーは雲上人か
 2.目録の見方・使い方の実際
   OPACを検索する/図書の目録の見方/雑誌の目録の見方/他館所蔵の資料を探す  
   総合目録の利用など/
 3.本の並べ方にも意味がある
   日本十進分類法/請求記号は資料の住所番地/並べ方は人を導く/
   並べ方は世界観をあらわす

第4章 どうやって資料にたどりつくのか(2)
 1.文献探索・情報探索の基本
   探索の基本的ステップ/イモヅル法と索引法
 2.レファレンス・ブックの利用
   レファレンス・ブック  「再度元へ立ち返る」/レファレンス・ブックの系統と種類
 3.事柄を調べるためのレファレンス・ブック
   百科事典の機能/百科事典の鉄則?  索引から引く/
   百科辞典の鉄則?  複数を引き比べる/百科辞典維持の困難さ/
   レファレンスブックの個性
 4.文献を調べるためのレファレンス・ブック  目録・書誌・雑誌記事索引
   目録・書誌・雑誌記事索引/書誌を利用する諸氏/書誌の持つ魅力と威力/
   書誌作成の舞台裏/雑誌記事索引/ブラウジングによる発見
 5.実際の探索プロセス
   外国留学体験者の方法も同じ/大学教員はレファレンス・ブックの利用下手?/
   教員が学生に希望する探索方法/現代の「ヅーフの部屋」へ急げ

第5章 レファレンス・サービスを酷使せよ
 1.モノを利用するのではなく、ヒトを利用する
   それは図書館のコンシェルジェ・サービスか?/レファレンス・サービスの本質/
   レファレンスサービスは知られていない
 2.レファレンス相談の風景
   ホンチョウムダイシ?/荷風と谷崎の「西村京太郎」的展開?/
   お宮・貫一の流行歌はいずこへ……/お役所の資料の探し方/
   昭和十三年の絵の値段を、今の価値に換算できるか?/レファレンス・サービスの支援領域
 3.レファレンス・サービスの舞台裏
   レファレンス・ライブラリアンの哀しき日常/レビュー文献の大切さ/
   「講座」もの、シリーズ別巻の上手な利用法/博士論文の狙い撃ち/
   ヒントの宝庫  国立国会図書館の隠れた参考文献/学説史を押さえるための学者の自伝
   研究ガイドにも注意/講義概要・シラバスは学問体系の索引宝庫だ/
   児童書の利用で頭を整理する/達人たちの探索方法をストーカーする/
   「方法を知るための読書」に徹する/とにかくレファレンス・ライブラリアンに訊く

第6章 資料は世界を巡り、利用者も世界を巡る

 1.相互利用サービスを活用する  訪問利用・現物貸借・文献複写
   相互利用サービスの内容/NACSIS Webcatの公開とILLの進展/
   紹介状は図書館界へのパスポート/
   文献複写と現物貸借/幻の学位論文もゲット
 2.いざ、外国の図書館に出陣する
   外国の図書館に乗り込む/利用のための事前練習/現地の図書館員をあらかじめ探す/
   必ず問われる「利用目的」

第7章 電子情報とのつきあいかた

 1.電子情報に対する図書館の対応
   信頼性ある電子情報の組織化/外部電子情報の取り込みと機能改良/図書館のスタンス
 2.図書館をよくすること、限界を知ること
  利用者こそが図書館を育てる/図書館調査は、研究プロセスの前段階


著者が同志社大学図書館のレファレンス業務を担当していることから
どうしても大学図書館よりになって書かれているフシは否めないが
公共図書館でも十二分に応用の利く、図書館活用法が書かれていることと思う。

生きづらい人へ

都知事選候補者が取り沙汰されている昨今ですが、石原都知事は
そろそろ引退されたほうがよいのではないだろうか?
面白いことに東京都の知事は3期目から失敗することが多いようダ。
東京都を前代未聞の財政難に転落させた美濃部亮吉とか、
三期目以降に都庁の移転、東京国際フォーラム、江戸東京博物館、東京臨海副都心の
開発に代表される大型プロジェクトなどの「箱物行政」によって
再び東京都の財政を赤字に転落させ、世界都市博覧会やりましょうプロジェクトでは
「世界都市博覧会やめましょう」を公約に掲げた青島幸一氏に敗北した鈴木俊一とか。。。
まぁ、アレですな。人間3期目くらいになるとそろそろ「自分はこんなことをやった」という
モニュメントを作って自己顕示欲を満たしたくなる、というコトでしょうか?w
美名を残したかったら2期くらいで止めておいたほうがいいのではないか、とか思います♪



サテ、またもや前置きが長くなってしまったが、久しぶりに本を読んだ。
以下に紹介しておく。
アダルトチルドレン完全理解


書 名 : 「アダルトチルドレン」完全理解
副 題 : 一人ひとり楽にいこう
著 者 : 信田さよ子
出版地 : 東京都
出版者 : 三五館
出版年 : 1996年8月初版,
     (2005年10月第22刷)
形 態 : 205頁,20cm
ISBN  : 4-88320-087-6
価 格 : ¥1359
NDC : 146.8




  まえがき
  プロローグ
第一章 現代人の表情
     ニセの和やかさ
     周囲の期待どおりに生きていく
     「NOはNO」症候群の数かず
 
第ニ章 アダルトチルドレンの誕生
     アルコール依存症の人と、その妻
     さらに、その二人の子ども
     見えたアルコール問題の本質
     愛という名を借りて支配する  共依存
     「AC」と呼ばれる子どもの登場
     「AC」の名を生み出した人々
     アディクション(嗜癖)という視点
     一般家庭の中の「機能不全」

第三章 ACとはどんな人?
     悩み苦しむ子ども
     生きづらさの源泉
     見えずらい「支配・被支配」の関係
     ACの三類型
     ?  責任を負う子ども
     ?  なだめる子ども(調停役)
     ?  順応する子ども
     過剰な適応能力
     ACの力

第四章 ACの主役は中年世代
     ながーくなった人生の道
     中年ACは第三のタイプに注目
     いい歳した人々
     中年世代がACと出会う瞬間
     「サンドイッチ世代」の羅針盤
     純粋な恋愛ができる中年世代

第五章 ACと記憶の渦
     子どもは私を愛してる?
     両親の夫婦関係ってなんだったの?
     幸福な家庭の裏側?  母の一瞬の光景
     幸福な家庭の裏側?  ノースリーブ
     母の死で時を止める
     「ふわふわ浮いて」生きている
     自分の血を引く存在がこわい
     理由のない空虚さ?  母には勝てない
     理由のない空虚さ?  イメージの組み替え
     血を見ると気が遠くなる
     底に沈んだ記憶
     正論の母
     世代間の密着

第六章 インナーペアレンツ
     「よりよい自己を」という生き方をやめること  「12のステップ」
     「親」の手の内
     インナーペアレンツと回復
     インナーペアレンツの定義
     日本的ACとアメリカ流ACの差
     日本的ACはトラウマ思考で解決できない
     具体的な「インナーペアレンツの処理」
     自分を主人公に語ること
     楽になれば、それでよい

第七章 回復の方法
     サイコドラマのススメ
     頭ではわかっている人に有効なサイコドラマ
     中年時代のための「いま・ここで・楽しく」
     サイコドラマは自分の人間関係を変えられる
     あるサイコロジストの嘆き
     若い人と中年世代の「ACの違い」
     タテマエの自立という落とし穴
     差別される人たちとACの関連
     世代連鎖と回復連鎖
     みんなで考えたい「回復」

第八章 ACプライド
     ACは主観的でかまわない
     いっぱいACと言ってあげよう
     ACとは「脅かすもの」ではない
     ACは悪循環を突き破る
     ACはすべてを肯定する
     ACは優しさと希望と
     ACはどんな家庭にも存在する
     ACは特に中年男性に役立つ
     ACは誇りに満ちている
  あとがき


・日々の生活の中で、何かしら漂っていたり、浮いている感じをもっている人。
・生まれ育った家族の中で、私がいるから、お父さんとお母さんの仲が悪いのでは
 ないかと思っている人。
・私が悪い子だから、こんなに言われるのではないかと自分を責めている人。
・この世にいてはいけないのではないかと思っている人。
・たえず(異性と)くっついたり離れたりを目まぐるしくくりかえす人。
・この女(男・子)は俺(私)がいないとダメだ、と考えている人。
・私は親のようにはならないと結婚するも、結局は親と同じような伴侶を選んでしまう人。
・「ママのこと好き?」と常に自分の子供に聞き、確認をとる人。
・親に「殺してやりたい」という憎悪を抱く人。

そのほかに、自己承認の欲求・孤独感・自己非難・失敗することの恐怖・
コントロール(支配)することの欲求・頑固さ・一貫性のなさ
のあてはまる人。

この本では、アダルトチルドレンを「自分の生きづらさが親との関係に起因する人」と
概念規定しています。
今現在、生きづらさを感じる人は一度、この本を読んでみるといいかもしれません。

子供は親が接したように、将来、自分の子供に接する。
これが時として負の世代連鎖となりかねない。
アダルトチルドレンは現代の若者だけでなく、中高年もそうである場合がある。
自分の親子関係をちょっとばかり考えてみよう、というお話。



ちなみに著者の信田さよ子女史はアダルトチルドレン・コンセプトの先駆者であり
第一人者でもあり、また、原宿カウンセリングセンターの所長を務めておられるらしい。

いつのまに?

asahi.comによると、カラオケの歌い過ぎで声帯の粘膜が腫れたりする
「カラオケポリープ」と呼ばれる症状を訴える人が増えている。
最近の流行歌は高音域の曲が多く、無理な発声をすることも影響しているようだ。
喫煙や飲酒しながら「熱唱」すると症状を悪化させ、
摘出手術が必要なケースもある、のだとか。。。
カラオケに行こうという発想すらありませんが何か?


サテ、なぜこのようになってしまったのかサッパリわからない。。。

論語

見てのとおり、『論語』の山である。
写真が小さいので、簡単な書誌事項も書いておこう。

前列(といっても一つだけですが^^;)
・珍袖論語
 山本邦彦・編,財団法人斯文会 金六十銭(1000円)

中列左側
・論語集釈(講談社学術文庫)
 宇野哲人・著 ¥1350

・現代語訳 論語(岩波現代文庫)
 宮崎市定・著 ¥1200

・論語の新しい読み方(岩波現代文庫)
 宮崎市定・著,礪波 護・編 ¥1000

・論語(岩波文庫)
 金谷 治・訳注 ¥570

・論語知らずの論語読み(PHP文庫)
 阿川弘之・著 ¥705

・論語(講談社学術文庫)
 加地伸行・著 ¥1200

後列左から
・標註 論語集註
 渡辺末吾・著,武蔵野書院 ¥1300

・論語集註 全四巻(新編諸子集成)
 程樹徳・撰,中華書局 63.50元

・論語集註
 真田但馬・吹野 安。編,笹間書院 ¥1700

今回は書名に『論語』と書かれた物のみをUPしてみましたが、
そのほかにも朱子の四書集註(ししょしっちゅう・四書とは大学・中庸・論語・孟子のこと)
などをいれるともう少し増えることでしょう。
そして、そこへ、「孔子」や「儒教」などという言葉の入っている書名を探せば
携帯電話のカメラでは収まらなくなることはうけあい!ですw

こうしている間にも、
・論語のことば(MY古典)
 村山吉廣・著,斯文会発行 明徳出版社 ¥1300 や、
・高校生が感動した「論語」(祥伝社新書)
 佐久 協・著 ¥840 や、
・寝床で読む『論語』~これが凡人の生きる道~(筑摩新書)
 山田史生・著 ¥700
などがぞろぞろと発掘された。
ポイントは「あまり高価で重要な書籍はない」ということだろうか?
同じ本を2冊以上買っているケースもあるような気がするがあまり考えないようにしよう(-_-;)

しかし私はいつから論語の熟読に励み出したのだろうか?
論語研究を本腰入れて・・・はしないだろうなぁ。。。