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私用漢文関係Web-Link集・2

少し前に備忘録代わりに私用漢文関係Web-Link集を書いたのだが、その後、漢文関係の便利サイトが増えたので、またメモ代わりに書いておく。

搜韵
 『佩文韻府』の全文検索の出来る大陸中国のサイト。漢詩を作る時に便利だが、一部が簡体字のみの
 対応であり、見にくいのが難点。『四庫全書』の影印画像も見られる。
 ちなみに「搜韵」は「そういん(=捜韻)」と読む。

寒泉
 十三経、資治通鑑などの史書、老子や荘子・荀子などの先秦諸子、朱子語類・明儒學案などの
 哲学、全唐詩・全宋詞などの藝文などが検索出来る、台湾師範大学の電子古典文献全文検索サイト。
 最近二十四史一史稿が追加された。
 もう一つの寒泉http://203.68.135.131/d1cgi/index.htmは閉鎖された模様。

異體字字典
 古典籍を読む上での異体字を調べられる台湾教育部のサイト。
 こちらもあるので、お好みで→教育部《異體字字典》主畫面

網路展書讀
 唐宋期の詩や歴代帝王の諡號などを調べられる台湾のサイト。構築中なのか、複数のURLがある
 のが玉にキズ。
 その他のURL1→網路展書讀
 その他のURL2→網路展書讀

漢字古今音資料庫
 臺灣大學と中央研究院語言學研究所の共同開発による、古今の中国語発音のデータベースサイト。

広島大学中文HP
 「全梁詩」「蘇洵蘇軾詩」の検索が出来る広島大学中国文学語学研究室のサイト。

大家藝文天地
 台湾の周政男氏のサイト。四庫全書の一部や仏典を見ることが出来る。藝術関係が多いかな?

甲骨文字全文検索データベース
 立命館白川静記念東洋文字文化研究所の落合淳思氏の運営するデジタルデータ化した
 甲骨文字の検索サイト。フォントをDLをする必要アリ。

中文電脳/Pin太郎サポートページ - 電脳瓦崗寨
 中国語のアルファベット表記(ピンイン=併音)を記載する時に声調符号を付けられるソフトの
 配布サイト。

東京外語大学言語モジュール
 東京外国語大学大学院の21世紀COEプログラム「言語運用を基盤とする言語情報学拠点」の研究
 成果を活かして開発したインターネット上の言語教材。英語やフランス語の他、インドネシア語やタ
 イ語・ラオス語・ヒンディー語・アラビア語・ペルシャ語・トルコ語などのマイナー言語も学べる。

レファレンス協同データベース
 国立国会図書館が全国の図書館等と協同で構築する調べ物のための検索サービス。参加館の質問・
 回答サービスの事例、調べ方、コレクション情報など調査に役立つ情報を公開している。

国立国会図書館デジタルコレクション
 国立国会図書館で収集・保存しているデジタル資料を検索・閲覧できるサービス。

日本中國學會
 「中国に関する学術の研究」を目的とし、中国哲学・中国文学・中国語学研究に従事する者の
 全国的かつ 総合的な学会のサイト。日本の中国関係の研究者はここに名を連ねていることが多い。

全国漢文教育学会
 漢字漢文教育および漢字文化に関する諸問題を研究し、日本の漢字漢文教育ならびに漢字文化に
 関する研究の充実発展を図り、あわせて会員相互の親睦を深めることを目的とする団体のサイト。

全日本漢詩連盟
 各県の漢詩連盟の大元締めでもある国内最大の漢詩団体のサイト。
 困ったことにいつの間にかURLが変わっていた(-_-;)

三国志学会
 三国志に関する学術の研究と普及および会員相互の親睦を図ることを目的とした団体のサイト。
 一般人でも参加出来るらしい、珍しい学会。

漢詩のための押韻平仄チェックツール
 「相集高樓茗水隈」と入力すると「△●○○●●△」という記号が現れるナゾの平仄チェックツール。
 平仄は通常「平声=○」「仄声=●」「押韻=◎」で表記されるので、なぜ△が現れるのかナゾすぎる。
 因みに正解は「○●○○●●◎」または、「○●○○●●○」だw

Baidu-百度-
 大陸中国のことを調べる時に便利な検索サイト。中国でのGoogle的存在。

孔夫子旧书网
 地球上で最大の中国語書籍の古書販売サイトとの触れ込み。繁体字で書くと「孔夫子舊書網」。
 日本の書籍も結構売られている。


まだまだあるような気がするが、とりあえず、今回はこんなところで。(便利サイトがあったらコッソリ教えてネ、の声有り。)
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現代人にも、漢詩は作れる?

Amazonで売り切れの入荷未定状態が続いているが、漢詩部門でベストセラー1位が続いているという、ちょいとばかり興味深い漢詩本が出版されたので、書き連ねてみよう。

石川忠久_漢詩の稽古

  書  名: 石川忠久 漢詩の稽古
  著  者: 石川忠久
  版  次: 初版第1刷
  出版者: 大修館書店
  出版地: 東京都
  出版年: 2015.07.10
  形  態: xii,242p,19cm
  I S B N: 978-4-469-23276-9
  価  格: ¥1800+税

  t1.イシカワタダヒサ カンシノケイコ
  a1.イシカワタダヒサ s1.漢詩 分類番号919.07







        ~目 次~

はじめに

七言絶句
  1 和語を用いない   [夏・海/尤韻]
  2 和習の表現に気をつける   [夏・蝉/元韻]
  3 場面に合った描写をする   [夏・山行/冬韻]
  4 生かし切れない趣向はあきらめる   [秋・箱根/尤韻]
  5 起句と結句を呼応させる   [紅葉/東韻]

  6 前半で舞台を整え、後半の情を引き出す   [冬・酒/陽韻]
  7 作中人物に不自然な行動をさせない   [初冬/冬韻]
  8 理屈に合わない発想は慎む   [残雪/東韻]

五言絶句
  9 起句・承句の流れを練る   [感傷・酒/真韻]

七言絶句
 10 適切な語に改め韻を換える   [刀/陽→蒸韻]
 11 内容に合わせて題を変える   [梅雨/麻韻]
 12 盛りだくさんの着想の詩を二首に作り直す   [初夏・雨/微韻]
 13 盛りだくさんの着想の詩を二首に作り直す   [初夏・雨/陽韻]
 14 主題に適した詩語を配する   [寺・坐像/真韻]

 15 情景を単純化し、心情を印象的に訴える   [雉/庚韻]
 16 有名な詩の言葉を用いてその趣を取り込む   [桃・鶯/陽韻]
 17 場面を整えた上で新発想を際立たせる   [七夕/尤韻]
 18 言葉の重複を避ける   [春景/先韻]
 19 主題を生かすための舞台を作る   [夏・亀/先韻]

 20 「サンタクロース」を適切に表現する   [クリスマス/東韻]
 21 その土地らしさを出す   [バリ島/陽韻]
 22 その土地の事物を詠み込む   [トルコ/麻韻]
 23 次韻によって唱和する詩を作る   [次韻/麻韻]
 24 フィクションとして、最適の場を設定する   [モンゴル/虞→魚・虞通韻]

 25 強調した描写・表現でパンチを効かせる   [詠史・懐古/真韻]
 26 過去と現在の対比を鮮明にする   [詠史・懐古/尤韻]
 27 前半・後半の流れに留意する   [詠史・懐古/真韻]


 28 適切な語に改め、韻を変える   [元旦/灰→東・冬通韻]

七言絶句
 29 主題にふさわしい語を選ぶ   [慶賀/歌韻]
 30 語の意味やつながりに留意する   [慶賀/真韻]
 31 人物の人となりを詠みこむ   [再会/陽韻]
 32 題詠を重ねたのち、時事の詩に挑戦する   [災害/灰韻]
 33 史実を効果的に踏まえる   [詠史・懐古/刪韻]

 34 同字を意識的に使う   [詠史・懐古/微韻]
 35 視覚・聴覚を動員して今昔の対比を出す   [詠史・懐古/陽韻]
 36 「誰も気づかない捉え方」が詠史のコツ   [詠史・懐古/青韻]
 37 故事を踏まえて情景に深みを出す   [閨恐/真韻]
 38 伏線を張って効果を出す   [夏・夢/陽韻]
 
 39 もっと適切な素材がないか検討する   [七夕/支韻]
 40 斬新な発想を生かす   [茸狩り/先韻]
 41 用いる言葉の意味、雰囲気に気をつける   [月見/歌韻]
 42 特徴的な情景を的確に表す   [シドニー・月/陽韻]
 43 雅な言葉で雰囲気を高める   [発覧・月/灰韻]

 44 同じような形容語を避ける   [夢・キリスト/支韻]
 45 それぞれの事物に合った形容をする   [クリスマス/灰韻]
 46 固有名詞をの字面の効果を考える   [山茶花/文韻]
 47 結句を生かす、一字の効果   [山茶花/寒韻]
 48 季節を表す語は重複を避けて適度に用いる   [山茶花/麻韻]

 49 理にかなった言葉の流れを   [雪・月/侵韻]
 50 言葉の重複に注意する   [年末・送別/寒韻]
 51 既にわかっていることはわざわざ言わない   [年末/真韻]
 52 副詞の使い方に気をつける   [年末/麻韻]
 53 儀礼的な詩を作る   [中国・会合/真韻]

 54 意見の詩もやんわりとした調子で   [送別/真韻]
 55 疑問形で余韻を出す   [山川/侵韻]
 56 固有名詞を生かす   [小諸城/歌韻]

七言律詩
 57 景物にふさわしい語句を用いる   [冬・亀/尤韻]
 58 特殊な語の例は参考にしない   [浦島伝説/支韻]
 59 絶句を律詩に仕立てなおす   [春雨/庚韻]

五言律詩
 60 律詩の対句は「虚」と「実」の組み合わせで妙味を出す   [秋・月/尤韻]
 61 副詞が多くならないように   [春・閑適/青韻]
 62 対句が平板にならないようにする   [春・酒/青韻]

七言律詩
 63 当たり前の描写に一工夫を   [花見の宴/真韻]

五言律詩
 64 「あえて問う」ことの効果   [春・訪友/元韻]

コラム
 門人の稽古場
   一 作詩のヒント
   二 古典を利用した作詩
   三 作詩の順序

付録
 図説 平仄式 七言絶句
          五言律詩
 用語解説・索引
 稽古索引
 作詩のための参考文献

おわりに


目次の項目があまりにも長いので、読みやすいように適宜行を空けて書いてみた。
本のオビに書かれているように、石川忠久氏が漢詩作法(さくほう=作る方法。さほうはマナーの意)を学ぶ門人の作品に対して添削を行う、という内容の本。氏の主催する櫻林詩會の門人19名が作った、五言絶句1首、七言絶句54首、詞(ツー)1首、五言律詩4首、七言律詩4首の計64首が収録されている。

「はじめに」によると、前著『石川忠久 漢詩の講義』の姉妹本的存在にあたるという。しかし、『漢詩の講義』が李白や杜甫といった昔の大詩人の詩についてを書いているのに対して、こちらは全く無名の、というよりも、今現在進行形で生きている人達の詩を題材に書かれている。

まず門人の作った漢詩を原案として載せ、それに対して石川氏が問題点や具体案を推敲(=指導)し、最後に完成詩を載せるという形式を採っているので、一首の詩をどのように推敲すればより良い詩になるのか?ということがわかるようになっている。

詠じている詩は、基本的に花鳥風月や四季などの風流な事物についてが多いが、中には唐宋代に無かった言葉を江戸時代の先人達が苦心惨憺して作り出したように、高層ビルやクリスマス、非漢字文化圏への旅行などの「漢語にない言葉や事物を、どのような漢字を使って詠じようか?」と頭をひねっている様が面白い。

また、門人の書いたと思われるコラムがあり、「漢詩をどのように作っているのか?」という作詩過程が興味深い。どうやら彼らは一句目から二句目、三句目と順に作っているわけではなく、四句目から三句目と作っていることが多いようだ(´-`).。oO( 全ての作品はみな最後から作っているのかネ?)

漢詩を作るに当たっては様々な決まり事があるが、その決まり事については、付録に「七言絶句」及び「五言律詩」の図解と「用語解説」が簡単に記載されているのみであり、初めて漢詩の作り方を知ったという人には、少々判り難い&とっつきにくい一面もあることは否めない。高校では絶句は4行詩であり、律詩は8行詩であると習っても、一句内の規則や句と句の決まり事までは習わないからね(-_-;)

これについては「作詩のための参考文献」を適宜読んでくれ、ということであろうか?もっとも、ページ数と価格のバランスについて考えれば、やむを得ない(この言葉、もともとは漢文なのヨ。「不得已」と書くのネ。)大人の事情もあるのだろうが、お手頃価格で手軽にコンパクトに済ませたい   でも中身がスッカラカンのスナック本はいやヨ   の現代人としては、「なんとか一冊で収められないの?」という気がしないでもないが、それは贅沢&ワガママが過ぎるというものだろう(苦笑)

この本を読むと、自分にも漢詩が作れそうだという錯覚に陥ってしまうが、恐らくそう簡単なものでもないだろうという気もする。気になる点としては、平仄の表記違いが若干あるようだが、これは編集上の誤植なのか、はたまた、作者から読者への間違い探しをしてみなさいよと言うメッセージなのだろうか?
というわけで、とりあえず一つ。潮(●)→潮(○)

それにしても日本人とはおもしろい人達だ。国民のほぼ全てが英語学習を義務づけられているにもかかわらず、英語で詩を書く人はほとんどいない。その一方で、漢文教育がますます廃れゆく現代でも、今だにこうして古代中国語という外国語で詩を作っている人々がいるのだから   .

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